2024年5月21日:全盲女児4歳アート体験学習

・1月23日の読売新聞大阪夕刊の記事がきっかけで、私からの依頼で交流開始。
(ガンのために4歳女児の小原佳純ちゃんが両目を摘出し、お母さま小原絢子さん34歳が早期発見の願いを込めて絵本を創作)

・2024年5月21日:全盲女児4歳アート体験学習
読売系TV取材
(たった一人の生徒、たった一人の美術教師)

1.日時:2024年5月21日
2.会場:神戸アイセンターネクストビジョン
3.対象:全盲の女児4歳(3歳半で両眼を小児がんのために全摘出)
4.人数:一人
5.目的:「アート体験学習」のレクチャー
6.内容:アクセサリー製作木の実とガラスビーズの「キラキラつるつるのペンダントヘッド」音察・触察・素材区別分類・立体製作・紙粘土成形・パーツ接着
7.展望:次回の予定計画、困ったことを聞く。

8.製作実践:「キラキラつるつるのペンダントヘッド」作りを始めました。
「音察」入れ物を振って自然物と人工物の材料がぶつかり合う「音」の特徴から、種
類を感じとっていました。「触察」松ぼっくり、ドングリ、木の実、ダイヤモンドビ
ーズ、真珠、ビー玉おはじきを楽しそうに分類し小さいケースに入れました。
「材料の分類」「成形」フワフワ紙粘土でパンケーキ厚の土台をつくりましたが、お団子を作るのは難しいようでした。
「パーツ付け製作」パーツをレイアウトして埋めていきました。完成まで20分位でし
たか。絢子さんは「佳純がこんなに種類分けできるとは思っていませんでした
」と感想をおっしゃいました。

(教育はみんなの未来)

●下に記事があります。

絵本に込める 消えない光 母が早期発見呼びかけ
2024.01.23 読売新聞 大阪夕刊から抜粋
 ◆演奏できる 友達できる
 小児がん「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」と診断され、闘病中に失明
した娘を持つ神戸市の母親が絵本の制作を進めている。どんな境遇でも希望を持って
生きてほしいとの願いを込めた物語だ。母親は「幼い子が自ら訴えるのは難しい」と
して、親や周囲が絵本を通じて病気のことを知り、早期発見につなげてほしいと願
う。 ■悩んだ末に
 神戸市灘区の主婦小原絢子さん(34)が次女・佳純ちゃん(4)の異変に気付い
たのは2021年3月。1歳4か月だった。おむつ替えの際、ふと顔を見ると目がわ
ずかに白く濁っているように見えた。気になって眼科を受診すると、両目の網膜に悪
性腫瘍が見つかった。
 抗がん剤治療に取り組んだが、右目の症状は悪化。医師から摘出を勧められ、同8
月、悩み抜いた末に決断した。22年秋には左目も悪化。「光を奪っていいのか」と
ためらったが「命に関わる」と伝えられた。
 「お目々と光を取るけど大丈夫」と聞くと、佳純ちゃんは気丈に「大丈夫」と応え
た。小原さんは震える手で同意書を書き、手術は成功した。
 佳純ちゃんは眼球の摘出後も続けていた抗がん剤治療が一段落し、昨年10月から
特別支援学校の幼稚部に通い始めた。様々なものに手で触れたり、匂いをかいだりし
て、視覚以外の感覚を磨く訓練を楽しそうにこなしているという。
 ■病気を知って
 「どうしてもっと早くに気付いてやれなかったのか」と自責の念にかられた小原さ
んは、この病気を広く周知する必要があると考えた。佳純ちゃんの目に異常が見つか
るまで、病名すら耳にしたことがなかったからだ。「周囲の大人が気づいて、守って
あげるしかない」
 絵を描くのが得意な小原さん。佳純ちゃんの目が見えた頃には「できるだけ多くの
景色を見せておきたい」と何枚も描いてきた経験から、「親子で楽しめて病気を知る
きっかけになる」と絵本の制作を思い立った。
 タイトルは「いたずらおばけが ないたわけ」。全盲の少年に出会った「おばけ」
がいたずらしようとするが、目が見えなくてもバイオリンを上手に奏でる少年と交流
するうちに「おばけ」の心が揺さぶられて友達になるストーリー。優しいタッチの絵
が印象的だ。
 佳純ちゃんや、同じように闘病経験のある子どもたちが、病気になる前と同様に何
事にも前向きに生きてほしいとの思いを込めた。
 あとがきでは、佳純ちゃんがこの病気で失明したことに触れ、「違和感を少しでも
感じたらすぐに眼科に行ってください。一日でも早い発見がお子さんの視力と命を守
ります」と呼びかけることにしている。
 絵本は2月頃までに完成し、病院や児童館に寄贈するほか、書店でも販売される予
定で、小原さんは「つらい経験をする子ども、つらい選択を迫られる親をなくした
い」と話している。
 〈網膜芽細胞腫〉
 網膜に悪性腫瘍ができる小児がんの一種。国立がん研究センターなどによると、出
生児約1万7000人に1人の割合で発症する。黒目が白く光って見える「白色瞳
孔」と呼ばれる症状が特徴。早期発見できればレーザー治療などで眼球を残せること
もあるが、腫瘍が大きくなっていた場合は摘出が必要になり、生命の危険を伴う場合
もある。